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2024年に映画デビュー65周年を迎えた吉永小百合は、いまもなお第一線で活躍を続けている。2024年からは65周年を記念した企画が展開され、写真集の刊行や出演作のブルーレイ&DVD化、特集上映などが続いてきた。2025年には映画出演124本目となる「てっぺんの向こうにあなたがいる」も公開され、東京国際映画祭では特別功労賞も受賞。そんなタイミングで改めて見たいのが、1963年公開の「いつでも夢を」である。
「いつでも夢を」は、橋幸夫と吉永の同名デュエット曲を映画化した青春映画だ。東京の下町を舞台に、働きながら定時制高校に通う若者たちの恋や友情、将来への思いが描かれていく。吉永が演じるのは、夜間学校に通いながら養父の医院で准看護師として働く三原ひかる。労働者たちから"ピカちゃん"と呼ばれる親しみやすい存在で、浜田光夫演じる勝利、橋演じる留次と関わりながら、物語の中心を担っていく。下町らしいにぎやかさと、若者たちのひたむきさが印象に残る作品だ。
この頃の吉永は、すでに若手スターの代表的な存在だった。「キューポラのある街」では、厳しい毎日を真っすぐに生きる少女を演じ、「愛と死をみつめて」では、過酷な運命に向き合う女性の切実さで多くの人の心をつかんだ。どちらも、吉永の青春時代を語るうえで欠かせない作品だ。その後も長くキャリアを重ね、いまも主演作を担い続けている。その歩みを踏まえると、「いつでも夢を」もまた、今の吉永につながる作品として見えてくる。
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この映画で吉永が演じるひかるには、かわいらしさだけでは収まらない魅力がある。白衣姿の清潔感や、画面に入った瞬間に場が明るくなるような華やかさはもちろん大きな魅力だが、本作でより印象に残るのは、相手の気持ちを受け止める姿勢だ。勝利や留次が迷いや不安を抱えたとき、ひかるは大きな言葉で引っ張るのではなく、相手の話をきちんと聞き、そのとき必要な言葉を返していく。その自然なやさしさが、ひかるという人物をより魅力的に見せている。











