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吉永の芝居は、とても自然だ。強い言葉で場面を動かすのではなく、目線や声の調子で、ひかるの思いやりを伝えていく。そのさりげなさが心地いい。華やかさがありながら、相手の気持ちをきちんと受け止められるところに、吉永の魅力がある。「いつでも夢を」では、その良さがまっすぐ伝わってくる。
こうした魅力は、後年の吉永小百合にも自然につながっている。年齢を重ねてからの作品でも、吉永は人生の痛みや喪失を抱えた人物に、静かな温かさをにじませてきた。感情を大きく見せるというより、相手の思いを受け止めることで場面に深みを与えていく。その佇まいは、近年の出演作でも変わらず印象に残るものだ。だからこそ今の吉永小百合を思い浮かべながら「いつでも夢を」を見ると、ひかるに宿る優しさも、この時期だけのものではなかったことがよくわかる。まっすぐで、親しみやすく、相手の気持ちにきちんと手を伸ばせること。そこに柔らかさだけでなく、支える側としての芯の強さまで感じられるところに、吉永らしさがある。そのバランスは、長いキャリアの中で少しずつ育まれていったというより、若い頃からすでにしっかりと息づいていたのだろう。
そんな吉永の魅力に触れられる作品として、「いつでも夢を」はやはり見逃せない。若き日の華やかさはもちろん、今につながる優しさや芯の強さも、この一本にはしっかり映っている。あらためて見返してみると、そのことがいっそうよく伝わってくるはずだ。
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文=川崎龍也











