望海風斗、"沸騰寸前"の感情で挑む新境地 ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で感じる"噛み合わない面白さ"
俳優

――その"沸騰"する感覚は、登場する女性たちの生々しい悩みへの共感から来るのでしょうか?
「共感できる部分ももちろんあるのですが、その感情の発散の仕方が日本人の感覚とは少し違うのかもしれません。何か問題が起きた時に、電話を投げることがエネルギーになるという(笑)。私たちはどちらかというと、一度落ち込んだり感情を溜め込んだりする方向にいきがちですよね。でもこの作品では、その場で起きた感情を常にストレートに外へ向けることを意識しています」
――"沸騰する"方向に持っていくために意識していることはありますか?
「『頭で考えすぎない』ということが一番大切なのかもしれません。お芝居のセオリーとして、相手のセリフを立てるといった暗黙のマナーは絶対にありますが、今回はそういう枠を超えて、その場でリアルに感じたことを出し合い、お互いに刺激し合う。それがこの作品の面白さなんです。
噛み合わないけれど、お互いに火をつけ合う。そういう熱量は一人では決して作れないものなので、皆さんと刺激し合える今の稽古場は、本当に楽しいですね」

■等身大の女性・ペパ役で試される"自分自身"
――ご出演を決めた理由として、今の望海さんにとってこの作品に向き合うことはどういう意味を持ちますか?
「最近は歴史に立ち向かう役や、マリア・カラス(『マスタークラス』)のように芸術の中で闘う役など、大きなものを背負った壮大な人生を描く作品が続いていました。今回はより等身大でリアルな女性を演じるということで、今の自分自身のままでどこまで表現できるか、という挑戦になるんじゃないかなと思っています」
――4人の個性的な女性が登場する作品ですが、特に共感できるキャラクターはいますか?
「やっぱり一番はペパじゃないかなと思います。自分が演じることになりペパを一生懸命理解しようとしているので、一番近く感じる部分もありますし、職業的な面でも通じる部分があります。
(演出の上田)一豪さんと話したのですが、アフレコをしたりCMに出演したりするぺパは、当時のスペインにおいて、誰もが知る大女優というわけではないと思うんです。ガスパチョの宣伝をするような、『現場で重宝される、仕事の絶えない女優』。でも仕事に対してはすごく安定感がある。そういう職業人としてのペパには共感しやすいですね」

――マリア・カラスやエリザベートといった歴史上の人物を演じてきた中で、ペパという"等身大の人物"を演じることに、今回ならではの面白さを感じていますか?
「そうですね。まだ自分の中では何が出てくるかわからないところはあって。でもそれが面白さかなと思っています。マリア・カラスとかエリザベートって、ある程度その役に近づいていくというか、やっぱり皆さんの印象もすごくありますし、自分が持っている印象もあるし。
ぺパは皆さんの先入観があまりない分、自分自身を試せる役でもありますよね。今は作り込みすぎず、自分の中から自然に湧き上がるものを見せられたらいいなと、稽古を楽しんでいます」











