放送作家・鈴木おさむが語るグルメ番組の今昔「時代を変えたのは『料理の鉄人』」

数多くのバラエティ番組を世に送り出してきた鈴木おさむさん。まるで時代の映し鏡のような様相を見せるグルメ番組の今昔について分析してもらった。

「僕がグルメ番組を見て最初に"うまそう!"と意識したのは、『くいしん坊!万才』」と鈴木さんは振り返る。だが、グルメというジャンルがバラエティで成立するのはもっと後だという。

「テレビの"グルメ"の扱いを劇的に変えたのは'93年に始まった『料理の鉄人』。"料理×格闘技"というこれまでにない発想を持ってきたほか、食材や調理の解説などをアカデミック、かつエンターテインメントにまで昇華することで、一世を風靡しました」

その後、'96年に『SMAP× SMAP』の「ビストロSMAP」、'98年からは『ぐるぐるナインティナイン』で「ゴチになります!」が始まるなどグルメバラエティの隆盛が起こる。

「この背景には、バブルで人々がグルメに興味を持っていたことが挙げられます。名店も取り沙汰され、その影響もあって'90年代は高級食材を扱ったものが多かったんです。その後不況が長引いたこともあり、'90年代後半からは『遠くへ行きたい』のような旅番組的なグルメ番組が他局でも増えていきました」

「元祖!大食い王決定戦 ~新絶対王者襲名戦~」より

©テレビ東京

これを受けて鈴木さんは'02年 に『もしもツアーズ』の企画にも携わる。当初は0円でさまざまな食材をもらって旅するなど工夫を凝らした番組で、こういった"工夫"を起点にグルメ番組はより細分化していく。一方で『ぐるナイ』の「ゴチ」から始まり『とんねるずのみなさんのおかげでした』の「食わず嫌い王決定戦」など、"グルメ×ゲーム"の流れが起こるなどした。

「これは'00年代後半に始まった『もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!』のコーナー『帰れま10』にまで発展します。革新的だったのは、誰もが知るチェーン店が主題になったこと。こうしてグルメ番組はさらに身近に、より深い専門性を持って今に至っています」

「寺門ジモンの肉専門チャンネル」より

『料理の鉄人』が持っていた"アカデミック"、近年の"身近さ"、今の"専門性"...。それらすべての遺伝子を受け継ぐ芸能人もいる。寺門ジモンだ。

「料理研究家のリュウジさんもそうですが、突出した人が現れるとその業界はハネる。大食い界ではギャル曽根さんが変革を起こしましたね。ただ大食い番組はグルメ系というより、'80年代に人気だった『ザ・ガマン』のようなすごい人を見て楽しむ系。日本の昔からあるエンタメの形で昭和の香りが漂っているところが僕は面白く思っています」

すずき・おさむ●'72年4月25日生まれ、千葉県出身。放送作家として多くの番組を手掛ける。

取材・文=衣輪晋一

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放送情報

寺門ジモンの肉専門チャンネル
放送日時:2021年2月2日(火)23:30~ほか
チャンネル:フジテレビONE スポーツ・バラエティ

元祖!大食い王決定戦 ~新絶対王者襲名戦~

放送日時:2021年2月7日(日)11:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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