蒼井翔太七海ひろき、信頼で結んだデュエット 演劇と音楽が交錯した「DRAMATIC LIVE "METEORA"」

声優

撮影=hajime kamiiisaka

物語はやがて緊迫の局面を迎える。ウミの乗る宇宙船「メーティオ」が地の星を破壊するための兵器だったと明かされ、絶体絶命の中で再び歌われる「CosmoS」。冒頭とは全く異なる熱量を帯びたデュエットに、観客も固唾を呑んで見守る。システムが停止し、風の星に長らく存在しないはずの花が咲く場面で巻き起こった拍手と歓声は、フィクションを超えて音楽が奇跡を起こすことを確信させるものだった。

撮影=hajime kamiiisaka

幕間では、蒼井のマスコット「たむたむ」と七海の「773くん」が登場するユーモラスな映像で会場を和ませ、観客を次のステージへと誘う。そして黒衣装で現れた2人が放ったのは「革命デュアリズム」。水樹奈々×T.M.Revolutionの名曲を、蒼井が天空を突き抜ける高音で、七海が地に響く低音で分担する。声質の違いが完璧な補完関係となり、ホールは揺れるほどの熱狂に包まれた。改めての挨拶で固い握手を交わした2人は、お互いの存在の大きさを語り合う。客席もその姿に温かい拍手を送り、ステージとフロアの距離がさらに近づいた瞬間だった。

撮影=hajime kamiiisaka

七海のソロコーナーは「Not Over」からスタート。洗練されたリズムに乗せて伸びやかに響く低音がホールを包み込み、その余裕ある歌いぶりに自然と視線が集まる。続いて披露されたのは蒼井の「give me ♡ me」のカバー。アレンジを効かせた軽快なサウンドに合わせ、客席からは「カイちゃーん!」の声が飛び交い、場内は一気に祝祭的なムードへと変わった。観客に笑顔で応えながらステージを縦横無尽に動く姿は、表現者としての確かさに加え、会場全体を巻き込むエンターテイナーとしての魅力を強く放っていた。締めくくりとなった「Knock down night」では、ミュージカルさながらの芝居がかった身振りやリズミカルなステップを織り交ぜ、目と耳の両方を楽しませる。軽妙なジャズの香りと大人の余裕が同居したパフォーマンスは、七海ひろきというアーティストが持つ多彩な側面を鮮烈に印象づけた。

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放送情報

M-ON! LIVE 蒼井翔太×七海ひろき 「DRAMATIC LIVE “METEORA”」
放送日時:2025年11月9日(日) 22:30~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)(スカパー!)

詳しくは
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