
――達也と深雪の関係性も、シリーズを通して積み重ねてきました。今回の劇場版は出生に関わる要素もありましたが、お二人が意識したことを伺えますか?
早見「お兄様はお兄様で一本ブレないところがあって、その横で深雪が『うわあ......』ってなっている、今回は特にそういう構図が多かったと思いますし、頭を少し過ぎたあたりから、深雪が一人で抱え込んでしまうシーンが結構多かったんです。だからこそ、ここまでの思いを封じ込めながら常に隣にいたんだ、というのは、原作小説を読まずにアニメで追ってきた方にも伝わる部分があるのかなと思います」
中村「第1シーズンから、主人公なので達也目線が多いんです。深雪ももう一人の主人公ではあるけど、心情を必要なところでしか描いていなかった部分がある。『優等生』の方では出ていたけど、『劣等生』ではそこまで出していなかった。第3シーズンあたりから、深雪の内面や立場に少しずつ光が当たる描写が増えてきたと思うんです。物語の重心が、これまでの達也中心の視点だけでなく、深雪自身の物語へと広がっていく。その流れが、今回の劇場版へ自然につながっている感覚はあります」

――達也は第1シーズンから変わらずに一貫していますよね
中村「表現としてはいつも通りだと思います。ただ、最後のシーンは、いろんなことが判明した直後なので、気持ちの動揺はあるんじゃないかなと思います。でもお兄さんだから深雪にそれを見せないように努めていたのかな、と。達也はモノローグがないので、観ている側が想像する余白もあると思います」
早見「観ている側としては、どうしても妄想しちゃいますよね。普段より少し違う心持ちを抱いたんじゃないかな、とか」
――今回、三人で同時にアフレコする機会はなかったそうですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
早見「私は中村さんに応援してもらった記憶があります(笑)。深雪は一人でずっと心の中で対話しているようなシーンが多かったので、取り終えた時に『頑張って』って言ってくださったのが印象に残っています」
中村「深雪のドラマが大きく動くパートだったので、現場では見守っている時間が多かったですね。僕が引っ張るというより、深雪が物語の転機を作ってくれる。達也は比較的いつも通りなので、そこは変わらず、という感覚でした」

――12年という長い時間を同じシリーズでご一緒されていますが、お互いに刺激を受ける場面も多かったのでしょうか?
中村「僕が過去に演じていた作品では、周りの影響で軸や気持ちがブレる役が多かったので、達也のように大局としてはブレない役を演じるにあたって、早見さんがやられている心情は動いているけど、大局としてはブレない作り方にはとても影響を受け参考にしてます」
早見「初めて伺いました、12年の中で(笑)」
中村「斎藤さんとは、もっと天真爛漫な役柄での共演が多かったので、真夜みたいな、いろんなものを秘めていて真意が読めないキャラクターを一緒の現場で見るのはあまりなくて。第3シーズンで急にセリフが増えてきたときもすごいなと思いましたし、今回の終盤でずっと喋っているところも、僕はほぼ聞いていましたけど、アプローチとして参考になる部分がありました。何より斎藤さんは、芝居に関しては昔からブレがないんですよ。監督やスタッフさんから方向性が違うと言われているのを見たことがないですし、腕っぷしで信頼されている人だなと思います。真夜を斎藤さんがやるのを見たのは初めてでしたけど、完成度が非常に高かったです」
斎藤「太字でお願いします(笑)」












